体験版をいじりながら、どんな機能が増えたのか?音がどのように変化したのか?を確かめてみました。
気になる新機能
Assistant View / アシスタントビュー

3の「Track Assistant」が「Assistant View」に生まれ変わりました。
これまでと同じく、トラックを再生しながらAIが音を分析するのは変わりません。
分析が終わると上記画像の画面になり、ここで手早くおおざっぱに音の方向性を決めることができます。
(Neutron 3と違い、アシスタント開始時に楽器名や方向性を選ぶ必要が無くなりました。)

Tone Match

同社のTonal Balance Controlをトラック版にした感じ。
各楽器に適したトーンカーブが最初から収録されているので、オレンジのエリアに近づくようにEQなどを適用することで、いわゆる「プロっぽい」音へすぐに近づけることが出来ます。
上部のバーを左右(0%~100%)に動かすことで、カーブとの一致度を調整することが出来ます。
100%に近づけるとかなりオレンジ部分に寄った音、
0%に近づけると原音の印象に近い音になります。
目標にしたいステムデータなどを持っている場合、オーディオファイルを読み込むことで自分専用のトーンカーブを生成することもできます。
Punch Distort Width

AI解析後の画面下部。
Punch
トランジェントの調整。
大きいノブでダイナミックレンジ(全体の音量差の幅)を調整します。
下げると全体の音量差が縮まって一定の音量に。上げると音量差が広がり、パンチが出ます。
右部分では音の鳴り始め(Attack)と余韻(Sustain)の音量を別々に調整することが出来ます。
Distort
歪みの量やキャラクターを簡単に決めることが出来ます。
Width
音の広がり・ステレオ感を調整することが出来ます。
原音がモノラルでも使用することが出来るので、手軽に広がりを付加することが出来ます。
逆に、ステレオ素材をモノラルに狭めることも可能。
Unmask Module/ アンマスクモジュール

2トラック間の被り・マスキングを解消するためのモジュールです。
例えばギターとボーカルの帯域が被って聞こえにくい場合、ギターの邪魔な帯域を削ることでボーカルを際立たせることが出来ます。
使用手順は以下の通り。
1.削りたい(メインでない)トラックのNeutron 4を開く
2.サイドチェイン入力に、目立たせたい(マスキングを解消したい)トラックを設定する
これだけでNeutron 4が自動的に被りを解消してくれます。
機能としてはWavesfactoryのTrackspacerに近いかも。
Neutron 4 vs 3 聴き比べ
ここからは、実際の音を交えてNeutron 4と3のアシスタントを比較していきます。
before,3,4のどれが好きか考えながら聴いてみてくださいね。
(Gain Matchというプラグインを用い、エフェクト適用前後の音量を揃えています。)
Piano
Bass
Drum
Guitar
Neutron 4の印象
今回Neutron 3と4を比較して感じたのは、全体的に明瞭感やキレが良くなっているという点でした。
高域・トランジェントの出方がレベルアップして、こもり感や垢抜けない感じが簡単に解消できるように感じました。
しかし、ミックスで最も重要なのは各楽器の明瞭さではなく全体で見た時のバランスです。
音は相互に関係するので、こもったままの方が曲にとっては良い状態であることも珍しくありません。
「まずAIに下地を作ってもらい、そこから自分の耳でミックスバランスを整えていく」
「曲にとって何が最適か」
を常に考えながら利用することで、時短を実現しつつ新たな視点を取り入れたミックスを行うことができるでしょう。
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